フロントエンジニアが AWS 全冠を達成した理由
フロントエンドチームの高橋ゆうきです。
先月 SAP on AWS を取得しまして AWS の全冠を取得しました。この記事ではなぜフロントエンドエンジニアの自分が AWS の資格を取得しようと思ったのか、また取得して良かったことなどについてふりかえりました。
私について
- 既婚で共働き
- 息子がいて、試験を受けていた当時保育園に通っていて年齢は 2 歳
- フロントエンドのコード書くのが趣味
- AWS は入社前までほぼ知識なし、EC2 と Lambda がどういったものかはなんとなく知っているレベル
- ジョインブログ
簡単なキャリアとしては、デザイナーからマークアップエンジニア(HTML, CSS, jQuery)になりフロントエンジニア、バックエンドエンジニア(PHP/laravel)を経由して今に至っています。
育児をしながら勉強時間の確保するということ
次の記事の土日の使い方については私だけではなく妻もとても影響を受けました。
- 土日はアテにしない
- 家族の時間
土日をアテにしないというのは結局我が家で実践できず、色々な試行錯誤を経て我が家では土曜日は私の時間に、日曜日は家族の時間になりました。妻の協力のおかげでとても感謝しています。その分平日の家事は私の分担が多く、掃除・洗濯・買い物などはリモートワークでなければ難しかったと感じています。
平日は勉強時間については毎日 9 時からの 30 分、会社アカウントの Google カレンダーに入力していましたが、実際には業務の時間にあてることが多く今考えるとあまり効果はありませんでした。
実際には 6 時前の早起きできたときにだけ時間が確保できていたので、土曜日を含めてだいたい週での合計勉強時間は 10 時間前後でした。
また試験は月曜日に挑むことが多く、前日の日曜日は私が勉強できるように妻が積極的に時間を確保できるようにしてくれため、前日週については 15 時間前後の勉強時間があったかと記憶しています。
なぜ AWS の資格を取得しようと思ったのか
ジョインブログに書いた文の引用です。
フロントエンドだけではなく、他に自分が自信をもてる強みができるようになりたいと思います。
こう考えるようになったきっかけが、入社前に聞いていた PHP の現場という Podcast の 14. データベースにかける(soudai1025)の配信に心を打たれたこと(1 時間すぎたあたりのスキルの掛け算の話)にあります。
聞いていた 2017 年当時は自分が強みだと思っている HTML と CSS の仕事がなくなる世界についてはなかなかイメージが湧いていませんでした。しかし、クラスメソッドに入社した 2020 年ごろにはデザインツールからそれらを生成するツール(あるいはデザインも AI が自動生成する)というのは近い将来使われていることがある程度想像できる状態にありました。そして今となってはその想像はすでに現実のものとなりつつあるでしょう。
そういったことから、私が自分のエンジニアとしての 2 つ目の軸の必要性を感じるようになったこと、そしてクラスメソッドに入社したことでその軸を AWS にするということはとても自然な流れでした。
資格取得について意味はあるのかという疑問については、3 大クラウドの資格を全種取得して 38 冠になってみた に書いてある内容にとても納得感を得ることができました。
もともと知識が乏しく、業務で AWS を触ることがほとんどない自分にとって AWS の資格勉強・取得は知識の証明だけにとどまらず、自分のキャリアを広げるために知識を得る行為です。資格勉強でフロントエンドエンジニアの自分がこれまでまったく未知の分野であった DAS や MLS の勉強が苦にならず、とても楽しかったという経験をしたので全冠を目指してみることについても意味のあることだと感じました。
資格取得のための戦略
勉強方法
勉強方法については特筆すべきことはしていません。多くの人が勉強方法を書いているのでここでは簡単に触れておく程度に留めます。
基本的には書籍、とりわけ紙の本で勉強すると頭に入ってきやすいことから、本が販売されていればそれを購入して勉強していました。とはいえ、専門知識の領域では本がそもそも出版されていなかったり、今では見かけることの多いアソシエイトの資格の書籍であっても少なかったため、そういった場合には AWS の模擬試験だけでなく Udemy で補強していました。
片手間で Black Belt の動画をみるというのもよくしていました。
PAS-C01 についてはどれもあまり充実しておらず、AWS の公式サイトを巡回して模擬試験を受けたくらいです。
業務で AWS を触らない人にとって試験の間隔は短いほうがいい
次の表は自分の取得した取得日と点数の一覧です。
自分自身の経験上、実践型経験がなく業務で AWS を触らない人にとって試験間隔はより短いほうが資格取得はしやすいと考えています。これは単純に期間をあけるとそれだけ忘れやすいからという単純な理由です。
自分のように SAP・DOP から専門知識系の資格を取得していくような順序だと、そこで勉強したことをよりジャンルごとに深堀りしていく体験できるため記憶にも定着しやすい気がしているのでオススメです。SAP・DOP から知識が広がっていく感覚は非常に爽快でした。
受ける間隔を短くと書いた自分も、2 回期間が空いています。
- DOP に落ちてから、再び挑戦するまで
- MLS から ANS まで
MLS から ANS までの間は Google Cloud の 3 つの資格、CDL・ACE・PCAの取得をしていた期間です。
問題は初めて試験に落ちた DOP から再挑戦まで空いている期間になります。最大の敵は落ちた後に「資格を取る必要がない」という誘惑でした。そしてその誘惑を断ち切るというのは業務でフロントエンドのコードを書いているだけの自分にとってはなかなか難しいことでした。
再度挑戦するきっかけになったのは間違いなく、社長や CX 事業部本部長であっても全冠であったり、プロジェクトのチームメンバーにも複数人の全冠所持者がいるクラスメソッドという環境のおかげであることを確信しています。
苦手を後回しにするか、先に消化するか
AWS の資格を私は次のようなイメージで分類していました。
- 絶対に苦手
- ANS
- あまり興味がない
- DAS・MLS・PAS
- 楽しそう、はやく受験したい
- DVA・DBS
- いずれでもない
ネットワークについてはとりわけ苦手意識があり後回しにしていましたが、4 回不合格になったことを考えるとこれを全冠が見えてくる手前に置いておいたことは本当に良かったと思っています。おそらくこれを先に受けていたのであれば、2 回不合格になったあたりで心が折れていたはずです。
4 回目で不合格になったときもう諦めようと半ば考えたのですが、そういったときにも似たような経験をしていた人が社内にいたということが心を奮い立たせる要因になりました。こういったところで、自分のいまいる環境がとても恵まれているということを自覚できます。
取得してよかったこと
クラスメソッドではバックエンドのメンバーがインフラも担うことが多いので、バックエンドメンバーの会話する AWS の話を理解できたときに取得してよかったと感じることが多いです。低くはない目標を設定し、それをやり遂げることである程度の信頼を社内だけではなく対外的にも得ることができたのではないかと思っています。
そして残念ながら、今のところ自分にとっての資格取得の価値をそこまでのレベルでしか活かせていないことを強く実感しています。
資格をとって終わりにしないことは、資格を取得すること以上に大事なことだと考えています。今後はただ AWS で資格をとって少しだけ詳しくなった人以上の価値をだしていく必要があると感じています。
さいごに
クラスメソッドでは現在フロントエンドエンジニアを大募集しています。
すでにフロントエンドという軸をもっていても、最近なにかと話題の ChatGPT のようなイノベーションによってその軸が突然どうなるかはわかりません。フロントエンドのほかに強みを持ちたいと考えたとき、その選択肢としてすばらしい環境だと自信をもって断言できるクラスメソッドへの応募を含めていただけると大変うれしいです。